新学習指導要領で英語教育どう変わる?

小学校3年生から英語教育がスタート

外国語活動(英語)がスタート!

英語教育どうかわる?
小学校5,6年生を対象として行っていた、「外国語活動(英語)」の授業が、小学校3年生からスタートされます。年間のコマ数は、35コマなので、週1コマ程度授業が追加されます。このときやるのは、英文法などの勉強ではなく、「英語に親しむ」を目的とし、「聞く」「話す(やりとり)」「話す(発表)」の2技能3領域のコミュニケーションが中心となります。

4技能5領域とは?
新学習指導要領において、「話す」は、「やり取り」「発表」の2領域に分類されます。小学校5年生から、この5領域を養成することとなっているようです。

4技能「聞く」「読む」「書く」「話す」
5領域「聞く」「読む」「書く」「話す(やりとり)」「話す(発表)」

3年生から英語の成績はつくの?

Let's Try
外国語活動は、「教科」ではないため、成績はつきません。授業内容は、学校や自治体ごとで決定できるようです。語彙量にして、600~700単語ほどを習得するよう目標が設定されています。教科書は、『Let’s Try』という外国語活動教材と、これを生かした指導計画や学習指導案が提供されているようです。

小学校5年生から「教科」として英語必修化

小学校5年生から中学英語の準備

小学校5年生からの英語
この時期から、「教科」としての英語の授業が始まります。年間70コマの授業で、週2コマ程度のボリュームとなります。外国語活動の目的は、「英語に親しむこと」ですが、教科となる5年生からは、「英語によるコミュニケーションスキルの基礎を養うう」ことに目的がレベルアップ。授業が、4技能5領域となり、中学校以降で学習する英語と関連したカリキュラムが組まれているようです。

小学校5年生から英語の成績がつく!

外国語活動とは異なり、英語の成績がつきます。また、検定教科書(※1)を使った授業が行われます。語彙の習得に目標が設定され、小学校を通じて600~700程度(中学校の目標語彙数1200語の約半分)の習得を目指します。

内容は、疑問詞(Who,When,Whatなど)、代名詞(I,She,Heなど)、動名詞(-ing形)助動詞(will,canなど)、動詞の過去形(played,swamなど)など、中学1年生で学ぶ内容を多く含んだ表現を学びます。これは、英検でいうと、英検5級(一部4級)ほどの内容になります。

(※1)民間で著作・編集された図書について、文部科学大臣が教科書として適切か否かを審査し、これに合格したものを教科書として使用することを認めることである。
【参照】文部科学省ホームページ

中学校英語授業は、オールイングリッシュが基本

授業がすべて英語になります!「話す」「聞く」が増えます!

中学生の英語
4技能5領域を総合的に学んでいくようです。日常的・社会的な話題について情報や考えを伝え合ったり、スポーツや音楽など関心のあることを即興で話したり。自分でスピーチにも挑戦するようですよ!

語彙数がアップ!!

ちなみに、中学校の英単語数1200語だったのが、1600~1800単語に増えます。文法的には、高校で学んだ現在完了進行形や仮定法なども学びます。英検でいうと、英検4級から3級に少し踏み込んだレベルです。こうなると、英検の枠組みも、今後ちょっと変わるかもしれませんね・・・。

現在 2020年以降
中学校 1200語 1600-1800語
高校 1800語 600- 700語
合計 2000語 4000-5000語
文法
現在完了進行形(have been -ing)
原型不定詞(make+O+原型不定詞)
仮定法(if)
直接目的語に節をとる第4文系(SVOO)

発信力を高める高校英語・4技能で評価される大学入試

高校入試への影響は?

入試
地域によっても取り組みが異なります。また、学校によっても違います。詳細や変更は、各地域、学校でご確認ください。調べた感じでは、毎年、ちょっとずつ変わる感じです。塾へ行っている方は、情報が入ると思いますが、行っていない方は、要チェックポイントになりそうです。ここでは、ざっくり紹介いたします。

東京
2021年度から、都立高校入試で活用予定の「スピーキングテスト」の実施が発表されましたが、コロナの影響もあってか、2023年2月に入試を行う学年からに変更となりました。民間の資格・検定試験実施団体と連携して、東京独自の試験を一般学力検査日程とは別で実施されるようです。試験は、タブレット端末やヘッドセットを使って、解答音声を録音する方法で検討されています。
大阪
2016年から、英語入試問題を難易度ごとにA・B・Cの3タイプあります。(高校ごとに選択が可能です)中でも難易度Cは、難関校を中心に採用されていて、4技能がバランスよく質問される問題になっているようです。問題文もすべて英語なので、かなりの難易度になります。民間資格・検定試験の結果を、英語の得点に読み替える制度が導入されています。2019年時点で、英検2級なら80%、準1級取得で、100%となります。
福井県
民間の資格・検定試験の結果に、当日の英語の試験結果を加点。2018年時点では、英検3級は5点、準2級は10点、2級は15点の加算。2019年では、最大加点幅が5点に縮小し、2021年からは廃止するそうです。

大学入試改革で、入試はどう変わる?

大学受験の英語
「大学入試センター試験」は、2021年1月に「大学共通テスト」に変わります。2025年1月には、新しい学習方法をもとにした、大学入学共通テスが全面改革されるそうです。

マークシート式問題の出題傾向に変化
(読解力重視・リスニング問題が多様化)
問題文もすべて英語に変更され、知識系の問題が少なくなり、「当てはまる選択肢すべて選択」タイプの問題が出題されるようです。配点にも変化があり、筆記(reading)100点(センター試験は200点)、リスニング100点(センター試験50点)に変更されます。外部検定試験を活用して、4技能を評価する予定とのこと。

ちなみに、大学ごとの外部検定活用状況を調べた感じだと、英検、TOEICはどの大学も対応していることが多かったです。(日本では根強い人気)海外への進学も視野に入れている場合は、IELTSやTOFLは必須なので、IELTSやTOFLの学習のほかに、英検、TOEIC用の別対策が必要になります。ですが、IELTSやTOFLの学習をしていれば、汎用できるので、英検、TOEICは出題傾向を掴むだけで得点はある程度とれると思います。一般的に、英検だと、2級以上、TOEICはLR(リスニング&リーディング)550点以上がだいたいの基準のようです。ただ、国立大学の多くや、一部私立大では、TOEICのLR(リスニング&リーディング)とSW(スピーキング&ライティング)の合計点を基準としている場合も多いので、行きたい大学で個別にチェックすると安心です。

結論

情報収集が大事!

情報収集が大事
調べてみて分かったのは、多くの学校が、4技能(「聞く」「読む」「書く」「話す」)をバランスよく使える人材を求めているということでした。上記でもお分かりいただけると思いますが、日本の英語教育、ここ数年でガンガン変わっています。今後も変わっていく可能性大なので、随時情報収集して、学習準備を整えていくことが大切かなと思います。

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